XOX - Skylight
おすすめ曲。
僕は、男性のような女性、女性のような男性が好きである(必ずしもそれはloveではない)。
前者はギャルソンヌ等を想像していただければ良いが、後者はまさにXOXのリーダー・とまんである。
ただ、ここで一つ注釈を加えなければならない。
当のとまんは自身を「美の追求者」と公言しており、「ジェンダーレス」を掲げているため、彼は「女性のような男性」と呼ばれることに異を唱えるかもしれないということだ。
しかし、この問題は容易に解消する。
なぜなら、僕がここで「女性のような男性」と呼ぶのは、より正確に言えば「男性性の対極として想定された女性性への志向性を持つ男性」であり、つまるところ「自身の性的非中立性を打ち消そうとしている人間」でもありうるから、この意味で「ジェンダーレス」と共通するからだ。
さて、このXOXはご存知の通り「女子」に人気である。
だがこの人気の理由を僕なりに調べたところ、結局ジャニーズ系アイドルグループの人気と相違ないのではないか、と思った。
というのも、「ジェンダーレス」という属性に関係なく、「○○君かっこいい」というコメントに終始しているように見えたからである。
ただそれもそのはず、リーダーのとまん以外は「ジェンダーレス」のような極端さはなく、近年の草食系男子に留まっている、と、少なくとも僕は思う。
一方そのとまんに関しては、否定的な意見が散見される。
「とまんきもい」といったコメントを多く見た。
これはとまんという個人においてのみであるかもしれないが、あえて言えば、「女子」の「女性のような男性」への依然とした受け入れがたさを物語っているように思える。
悲しい。
山本耀司、川久保玲らが「黒の衝撃」をパリに与えたとき、そのモードを支持したのは、男性から女性然たることを強制されていたことへ反発を感じていた女性だった。
今、社会的にではありながらも、女性は男性然たることを男性に強要していてはいまいか(「男性」が男性に強要していることも多い)。
詳しくは別の機会に譲るが、僕はフェミニストをはじめとする「女性」の「権利」を求める女性が、従来の父権制社会において形而上、形而下にかかわらず受益していた比較的少量ではあるが確かな利益を、現在男性にそれを与えようとはしないものの自分たちはそれに甘んじているような気がしてならない。
僕は女性の自由を真摯に考え、フェミニズムを尊敬し、男としての「フェミニスト」を目指していたにもかかわらず、そう思う。
つい熱くなってしまった。
ちょっとまとめよう。
ボーイッシュな女性を好む男性は多いが、フェミニンな男性を好む女性は少ないように思われる(ここではloveという意味で)。
この非対称性については、学問的のみならず、各個人が自身の性生活という観点で直視すべき問題のように思えてならない。
だから考えてみてほしい、この曲を聴きながらでも。